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2007/08/18

Open access part 2

オープンアクセス(無料公開)の是非について議論が続いていますが、目下、出版社側の反撃が勢いを増しているところです。Elsevier、 Wiley、 アメリカ化学会など主要出版社が属するアメリカ出版協会(AAP:Association of American Publishers)の一部会員会社は、盛り上がりを見せているオープンアクセス運動に対抗するため、PR(広報)活動の専門家をコンサルタントとして雇い入れました。オープンアクセスが現実化した場合、購読料で支えられている伝統的な雑誌は生き残れないのではないかと懸念しているのです。 英政府は、国立衛生研究所の助成を受けている研究者の論文がアクセプトされた際、論文コピーをPubMed Centralへ提出することを義務づけようとしています。この案を廃止の方向に導くために、AAPのPRコンサルタントは、論文コピーの提出が義務づけられた場合に生ずる懸念や不安材料をアピールするよう提案しました。たとえば「アクセプト後のプロセスがうまく行かず、出版されなかったらどうするのか?」「政府が広めたい情報だけを作為的に一般公開するとしたら、それは検閲になるのではないのか?」といった点を出版社側から問うべきだと。 科学者側の団体がどのような反応を見せるかはまだ明らかではありませんが、商業的出版とオープンアクセス出版との主導権争いの結論は、最終的には世論の動向によって決着するのではないかと思われます。

2007/07/20

Does science publishing damage science?

先頃DMCは、年2回 国内で行われているある会議の全発表論文の編集作業を行いました。その会議録は、有名な出版社によりインパクトファクターの高い雑誌に掲載されるものです。第9、10回大会の際、その出版元は当該雑誌のインパクトファクターを下げたくないという理由で、動物実験に関する論文は会議録から削除し、掲載しないと連絡してきました。多数の研究者の要請も空しく、また、会議議長が編集アドバイザーであったにも関わらず、編集長は結局方針を変えませんでした。研究者たちの落胆は非常に大きなものでした。 第11回会議の準備期間中、会議議長からDMCに相談がありました。私たちは検討/熟考の末、出版元に対し以下のように指摘しました。 まず、会議録を読む人たちは、会議で発表された全ての論文が記載されていると思うのが当然です。でなければ『会議録』とは言えません。会議で何が発表されのかと同様、何が発表されなかったのかという情報も重要です。会議録は会議の全てを網羅したものでなければ、信頼できるものとはいえません。 雑誌の編集長に会議の学術委員会の役割を決める権限などあるのでしょうか。 その会議が学術的にアクセプトすると認めた論文を出版社が排除する権利はないはずです。 これらの指摘事項を、丁寧かつ失礼のない文章の手紙にし、議長がサインをした上で出版社に送付しました。手紙には、会議の開催費用の中から出版社に相当な金額のお金が支払われている点も追記されました。 かなりの時間が経過した後、出版社から返事が届きました。内容は「動物実験に関する論文も含め、第11回会議の内容は全て雑誌に掲載する」というものでした。「カンファレンス・レポート」と言う新しい出版形式ができました。やった! 良かった! 私たちは心からそう思いました。第11回会議は滞りなく開催され、問題となっていた会議録も、もちろん動物実験に関する論文も含まれた予稿集が発行されました。 それなのに・・・・MEDLINE上に自分の論文が載っていないと知った時の、第11回会議の論文発表者のショックと失望が想像できますか? 出版社に裏切られたのです。出版社は、インパクトファクターを守るために40報の論文を雑誌に掲載しないように操作したのです。我々の知る限り、いまだにそれらの論文はMEDLINEには掲載されていません。オンラインの世界では、それらの会議がなかったことにされてしまっているのです。 これは、まさに出版社が科学の発展/利益を妨害した例といえるでしょう。

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