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Advice to authors: Let’s be more positive.

September 1st, 2007, by Nicolas Bottari

先日、論文を学術誌に投稿し 査読者からコメントを受け取った研究者から、その後の対応について相談したいとの連絡をもらいました。彼は、査読者Aの‘Accept after revision’ および査読者Bの‘Reconsider after extensive revision.’ というコメントから、投稿した論文は完全に否定され、アクセプトされそうにないと早合点したのです。

特に査読者Bのコメントは厳しく、多くの部分を書き変えるよう要求していました。彼はそのジャーナルをあきらめ、他のジャーナルへの再投稿を検討すべく、その論文の関連書類を全て私に送付し、意見を求めてきました。

以下は、私の返信です。

Y先生へ

はじめに・・・良い返事が来て良かったですね。あなたは、編集者が‘The paper cannot be accepted in its present form and will require extensive revision’と言っているものと判断してあきらめているようですが、この査読者コメントなら、かなり良い結果だと思います。修正なしでアクセプトされる論文などめったにありません。編集者の言葉は厳しく聞こえるかもしれませんが、否定的な評価をしているわけではなく、最終的にアクセプトされない可能性も残されているため、あなたに過度の期待をもたせないようにしているのです。

査読者への回答がアクセプトの鍵

ここが頑張りどころです。査読者へどのように回答するかが、アクセプト可否の鍵を握っています。私は、関連書類を全て読んだ後、次のように提案いたしました。

  1. まず、査読者が指摘している点について、すべて回答します。詳細な回答見本ファイルを添付します。書式は次のようにすると良いでしょう。
    • Response to Reviewer 1: Comment: The manuscript may benefit from additional analysis of….  Response: As the reviewer noted, there is a possibility of ... Therefore, we have added the following text (p. 18, lines 4-9).... “Unfortunately, we could not classify cases by ...” Further, we have changed the following text (p. 1, lines 11-13): “During this time, a number of men were newly diagnosed with ...” to “During this time, 104 men were newly diagnosed with ....” We have also added the following reference: “25. Nakamura N, Tamura M. Isoflavone consumption in relation to lung cancer. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006;12:138-45.” ...and so on.
    • Response to Reviewer 2: Comment:  The statement that risk of total or localized cancer did not differ ... Response: In accordance with the Reviewer’s comment, we have changed the following text (p. 1, line 13): “Intake was not associated with total or localized prostate cancer.” to “Intake was not associated with localized prostate cancer.” ...and so on.

     

  2. 査読者が指摘したそれぞれの点について、あなたは納得するのかしないのか、意見/理由を述べましょう。書き直した原稿にも、元原稿から変更した箇所のページ番号と行番号を記載するのを忘れないようにして下さい。重要なことは、あなたは査読者の意見すべてを受け容れる必要はないと言うことです。もし、はっきりとした理由があって納得できないのなら、それを説明すれば(私は10ページ、20ページに及ぶ回答書を見たこともあります。必要に応じて図や表も加え、説得力のある回答書を作るべきです)、編集者も理解してくれるはずです。査読者の意見に反対するには、編集者にとっても十分な正当性が必要です。編集者に受け容れられるような、説得力のある回答を書くべきなのです。
     

  3. 今回の投稿先をあきらめて、他のジャーナルにチャレンジしようなどとは考えないで下さい。再投稿は時間的なロスも大きく、お勧めできません(再投稿した結果、その論文が世に出るまでに18ヶ月も余分にかかってしまう例もあります)。 現在トライしているジャーナルにアクセプトされるよう、全力を傾けましょう。たった1人の査読者の意見に落ち込んでいてはいけません。繰り返しになりますが、ジャーナルの編集者は、あなたが 科学的な正当性を示すことができれば(事実もしくは詳細な説明によって)、査読者の意見を退ける可能性もあるのです。
     

  4. あなたの書いた回答書を同僚や上司にも見てもらい、意見を聞くことをお勧めします。
     

  5. 回答書が書きあがったら、我々にチェック/校正させて下さい。より良い内容にするために、できる限りのお手伝いをいたします。しかし、最終的にはあなたが管理/責任者であることを忘れないで下さい。
     

  6. 以下のページも参考にして下さい。



今回の経験は、ジャーナル編集部対策として良いトレーニングになったことと思います。今後の結果を楽しみにしています!

Guy