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Communicate for life
by Your science. Your career
2008/07/02
“almost all” / “most” / “most of” の使い分け こ の3つの語句は意味が似ていますが、使用法が少し違います。 “Most of”と“most” は意味が同じですが、文脈によってどちらを使うかが決まります。 例1: “Most of” とは集合の中で、多くを占めると言う意味です。 白い犬を2匹、茶色の犬を2匹、黒い(black)犬を6匹の計10匹の犬を飼っている場合、次のように表現できます。 Most of the dogs are black. この例では、集合の母体は10匹の犬です。 例2: “Most”は一般的な(特別ではない)ことを示す場合に使われます。 Most dogs like to swim, but most cats do not like to get wet. 例3: “Almost all” は、あるものの中において非常に高い割合であることを意味します。 Almost all cats have fur...
2008/06/19
投稿論文の査読プロセスについては改良の努力が続けられていますが、 Journal of the American Medical Association、British Medical Journal の出版グループは Medical Journal of Australia と協同して、2009年10-12月にバンクーバー(ブリティッシュコロンビア州、カナダ)で 第6回 International Congress on Peer Review and Biomedical Publication を開催する予定です。議題としては、査読体制の現状とその欠点、論文内容の不正管理、出版論文の信頼性などが取り上げられる予定です。 ウェブが主流となった時代の査読方法やオープンアクセスについての課題など、新しい発表形態に関する問題点が議論されるでしょう。したがって、この会議は新しい発表形態の利点を理解をしてもらい、広く支持を得るための重要な場となるでしょう。査読システムや科学情報の普及について研究してきた人たちにとって、その会議はこれまでの成果を発表する好機となるでしょうし、今後とも研究を進める上での意欲を与えられることでしょう。
2008/04/17
先日、ある研究者から残念な連絡がありました。投稿した論文がリジェクトされてしまったというのです。以下は投稿雑誌の編集者のコメントです。 Thank you for submitting your manuscript to X Journal. The reviewers and I concur [同じ意見だった], however, that it is not suitable for publication and we enclose pertinent [主要な] comments for your records. 編集部には非常に多くの投稿があり、内容が優れていたとしても、「最高の優先度」でない限り、不採用になってしまいます。つまり、査読者が良い評価を与えた論文でも、すべて出版されるわけではないのが現状です。 コメントでは‘not suitable for publication’ と書かれていますが、これは‘cannot be accepted in its current form’ と同じ意味です。 重要な点は「最優先」とみなされなければならないことです。科学的に水準が高くとも、優先度が最高でなければ落とされてしまうのです。 査読者の1人は彼の論文を以下のように評価しました。 At the...
2008/04/03
オンライン上の記事やデータにリンクして引用する際の問題として、少し時間が経つとリンクができなくなっていたり、リンク先のサイトがなくなってしまうということがあります。これを解決する手段として、サイトページやブログ記事等のウェブ上のデータに永久的なリンク付けを可能にする無料の新しいシステムWebCite® が導入されました。この“on-demand archiving system for webreferences”を使用すれば、リンク先のデータも保存できるので、読者は将来にわたり、その情報にアクセスすることができます。著者は情報源が改訂されることを気にすることなく、リンクによって快適に引用することができるのです。
2008/03/15
科学情報をオープンアクセスにすることについての論争に、間もなく突破口が開かれそうです。Wired Scienceによると、Googleのサイトhttp://research.google.comは科学データの無料保存場所を提供し、しかもそのサイトは “access to the data will be free for all”とのことです。 そのサイトにはデータが保存されるだけでなく、ユーザーがコメントを書くこともできるようです。つまり将来的には、Googleが査読ツールとして使用されるようになる可能性もあるということです(“ブログで査読?”を参照)。実現すれば、世界中の研究者が、経済的・政治的状況とは無関係に、必要な情報にアクセスできるようになるでしょう。
2008/02/16
論文査読の世界で新しい試みが始まっています。カリフォルニア大学サンディエゴ校コミュニケーション学の教授が、Noah Wadrup-Fruinというソフトウェア開発会社の協力を得て、論文原稿を一般読者に批評してもらう目的でブログに掲載したのです。ブログ読者のコメント記入を可能にするコンピュータープログラム(CommentPress等)を用い、論文をより良いものにしてくれる意見の収集を図ったのです。この試みが成功すれば、将来、科学を含む広い分野で、論文の査読がブログで行われるようになるかもしれません。 ブログを用いた査読システムは、いくつかの点で既存システムより優れています。例えば、数名の査読者による限定的な評価ではなく、多数の専門家による様々な評価や提案を受けられるため、最終原稿が驚くほど洗練されたものになる可能性があります。新情報の流入により、著者の実力以上の論文になることもあり得るでしょう。しかしながら、ブログ査読者は身元を明かさないこともあるため、著者は提案された意見の内容をよく見極める必要があるでしょう。 ブログ査読の最も優れた点は、著者が即座にフィードバックを受けられることです。著者と査読者との交信速度が上がれば、現在は数ヶ月を要していることが数日で済んでしまうかもしれません。この方式が普及すれば、科学の進歩もスピードアップすることでしょう。新しい情報を早く入手できれば、すぐに次の実験や新しい知見につながるからです。 Wadrup-Fruinによる先駆的な試みは、もしかすると、従来の不具合が多い査読システムの救世主になるかもしれません。
2007/11/02
あなたは「鼻の内部は美しい」と考えたことがありますか。 科学誌サイエンスのコンテスト、Visualization Challengeの2007年度優秀賞には、アートでメッセージを伝えている科学者たちが選ばれました。 香港の放射線科医Kai-hung Fung氏は、鼻の内部をはじめ、生物がもつ構造的な美しさを、独自のアートとして表現しました。別の入賞者は、コンピューターグラフィクスの最新技術により、タバコ中毒のメカニズムからハリケーン分析にいたるまで、幅広い分野で教育ツールを作りました。 Article written by Guy Harris
日本の研究者が英語論文でよく使う表現に、「more than」 があります。私が最近チェックした論文でも、次のようなセンテンスがありました。 “The plates should be incubated for more than 18 hours,” この文を見た時、私には非常に曖昧な表現であると感じられました。18.1時間なら良いのか。19時間だったらどうなのか。 この曖昧さは、日本語の「〜以上」という表現が英語の「more than」 と同じであると考えることから生ずるのではないかと思いました。 ネイティブスピーカーでしたら、この文章には「more than」 ではなく「at least」を使うでしょう。 「more than X」とは、「>X」を意味し、Xは対象に含まれていません。 一方、「at least」は、「≥X」を意味し、Xを対象として含んでおり、日本語の「X 以上」という意味に相当します。 「more than 18」とは、「18を含まない、それより多い数」、「more than 3 mL」は「3 mLより多い量」を意味するだけで、小数点の何位までなら許されるのかといった許容範囲は不明です。 したがってナチュラル な英語とはいえず、読み手を混乱させます。 結論として、日本語の「〜以上」を英語で適切に表現するには「more than」 ではなく「at least」を使うことをお薦めします。 [具体例] × : “More than 3 mL of blood should...
2007/09/19
先日、初心者が英語の科学文書を書く時によく抱く疑問について回答を求められました。 「省略語や頭字語に冠詞を付ける場合、 ‘a ’ なのか、それとも‘an’ なのか、どのように決めるのですか?」と。 アメリカ化学会(the American Chemical Society ・ACS)の指針によれば、省略語や頭字語に付す冠詞は、その省略語や頭字語の最初の文字の「発音」に委ねられます。 つまり、最初の一文字の発音が母音(a,e,i,o, and u),なら‘an’を、それ以外なら‘a ’を使うことになっています。 例 The samples were run on an HPLC system Hは“ay-ch”と発音されるので、‘an’が使われています。 The samples were extracted using an SPE column. Sは“ess”と発音されるので、‘an’が使われています。 The results were presented at a CDM conference in 2006. Cは“see”と発音されるので、‘a’が使われています。 The samples were pipetted with...
2007/09/01
先日、論文を学術誌に投稿し 査読者からコメントを受け取った研究者から、その後の対応について相談したいとの連絡をもらいました。彼は、査読者Aの‘Accept after revision’ および査読者Bの‘Reconsider after extensive revision.’ というコメントから、投稿した論文は完全に否定され、アクセプトされそうにないと早合点したのです。 特に査読者Bのコメントは厳しく、多くの部分を書き変えるよう要求していました。彼はそのジャーナルをあきらめ、他のジャーナルへの再投稿を検討すべく、その論文の関連書類を全て私に送付し、意見を求めてきました。 以下は、私の返信です。 Y先生へ はじめに・・・良い返事が来て良かったですね。あなたは、編集者が‘The paper cannot be accepted in its present form and will require extensive revision’と言っているものと判断してあきらめているようですが、この査読者コメントなら、かなり良い結果だと思います。修正なしでアクセプトされる論文などめったにありません。編集者の言葉は厳しく聞こえるかもしれませんが、否定的な評価をしているわけではなく、最終的にアクセプトされない可能性も残されているため、あなたに過度の期待をもたせないようにしているのです。 査読者への回答がアクセプトの鍵 ここが頑張りどころです。査読者へどのように回答するかが、アクセプト可否の鍵を握っています。私は、関連書類を全て読んだ後、次のように提案いたしました。 まず、査読者が指摘している点について、すべて回答します。詳細な回答見本ファイルを添付します。書式は次のようにすると良いでしょう。 Response to Reviewer 1: Comment: The manuscript may benefit from additional analysis of…. Response: As the reviewer noted, there is a...