Properly using “etc.”
August 24th, 2009, by Nicolas Bottari
多くの科学論文の中で“etc.”は、当然の様に使われていますが、英文中の“etc.”は必ずしも日本語の“等”と同じ意味ではありません。
Et cetera は、ラテン語で「と、他のもの(直前に述べられたものと
同類のもの)」と言う意味です。しかし、1つの事柄が述べられているだけの場合には、そこに「その他の同類のもの」は存在しません。
X: “My favorite foods are cherries, etc.”
「私の好きな食べ物は、サクランボ等です。」
―この場合の“etc.”は、その他の「同類の」ものではなく、その他の「違う」ものと言う意味になってしまいます。(「その他の赤い果物」、「その他の甘い食べ物」、「その他のベリー類」)
2つの事柄について述べる場合も、その2つの両方に関連する「その他の同類のもの」を想定するのは困難です。
X: “We studied the flu virus, herpes virus, etc.”
「私達はインフルエンザウィルスやヘルペスウィルス等について学習した」
―この場合の“etc.”も、その他の「違う」ものの意味になってしまいます。(「風邪や水疱瘡の様なその他の一般的な病原ウィルス」、「HIVやポリオの様な他のウィルス」、「結核菌やサルモネラ菌の様な他の一般的な病原菌」)
どのような場合になら“etc.”を使う事が出来るのでしょう?
明確に関連性のある同類のものが、少なくとも3つ以上ある場合のみ
“etc.”を使う様にしましょう。
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I like lemons, limes, oranges, etc. [citrus fruits]
私はレモン、ライム、オレンジ等が好きです。(柑橘類) -
He drives Toyotas, Hondas, Nissans, etc. [Japanese auto brands]
彼はトヨタ、ホンダ、日産等に乗っている。(日本車) -
That company makes computers, digital cameras, televisions, etc. [technological appliances]
あの会社はコンピューター、デジタルカメラ、テレビ等を製造している。(デジタル家電)
同類のものが2つ以下の場合は、具体的に記述しましょう。
X: This compound is effective at treating a cough, etc.
この合成物質は咳等の治療に効果がある。
O: This compound is effective at treating a cough and other cold symptoms.
この合成物質は咳やその他の風邪の症状の治療に効果がある。
X: Examination found swollen glands, low white blood-cell count, etc.
検査の結果、リンパ腺の腫れ、白血球の減少等が見られた。
O: Examination found swollen glands and a low white blood-cell count, among other symptoms indicative of infection.
検査の結果、リンパ腺の腫れ、白血球の減少、および風邪であると思われるその他の兆候が見られた
科学論文を書く際は、表以外で“etc.”を使用するのはお勧め出来ません。読者に「他の」何かを推察させるよりも、はっきりと記述した方が良いと思われます。出来る限り、“etc.”の不適切な使用は避けたいものです。