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従属概念の表現例

例1

概念1:1日1回のXM730の投与は収縮期血圧・拡張期血圧の両方を低下させた。
概念2:その血圧低下は安定的で、24時間持続した。

高血圧患者は長期に渡って治療を受けていることが多いので、研究者たちは1日1度の投与で済む薬を探し求めてきました。すると次の文章は、この観察結果の重要性を反映しているでしょうか?

Single daily administration of XM 730 produced a stable, 24-h decrease in both systolic and diastolic blood pressures.
→「1日1回のXM730 の投与は、収縮期血圧・拡張期血圧の両方を安定的に 24時間低下させた」

答えはNOです。「安定的に(24時間)持続する」という、この薬の効果の重要性が、文法上に反映されていません。この場合、以下のような表現にすべきです。

Single daily administration of XM 230 produced a decrease in both systolic and diastolic blood pressures which was stably sustained for 24 h.
→「1日1回のXM730 の投与は、収縮期血圧・拡張期血圧の両方を低下させたが、その低下は安定的に24時間持続した」

または、

Single daily administration of XM 230 produced a stable decrease in both systolic and diastolic blood pressures. This decrease was stably sustained for 24 h.
→「1日1回のXM730 の投与は、収縮期血圧・拡張期血圧の両方を低下させた。その低下は安定的に24時間持続した」

・適用した法則 法則1: 文 >節 > 句

例2

論文の結論部分からの引用です。

"AWB-CAL-1 directly recognized ß2-GPI adsorbed onto a gamma-irradiated polystyrene surface in the absence of aCL. BTo avoid contamination by murine ß2-GPI, the WB-CAL-1 was purified as described in Materials and Methods." →「WB-CAL-1はaCLの欠乏状態でガンマ放射線照射されたポリスチレン表面に吸着したß2-GPIを直接認識した。マウスß2-GPIの混入を避けるため、Materials and Methods に述べたようにWB-CAL-1は精製された」

文Bは単に Materials and Methods に書かれた手続き方法論の繰り返しなので、この例では文Aの方がおそらく重要だと考えられます。 しかしながら、Bを独立した1つの文にしたことで、筆者はBにAと同程度の 重要性をもたせてしまっています。

関係詞節を用いて、BをAの従属文にしてみましょう。

"AWB-CAL-1, Bpurified as described in Materials and Methods to avoid contamination by murine ß2-GPI, directly recognized ß2-GPI adsorbed onto a gamma-irradiated polystyrene surface in the absence of aCL."
→「マウスß2-GPIの混入を避けるために、Materials and Methods に述べたように精製されたWB-CAL-1は、 aCLのない状態でガンマ放射線照射されたポリスチレン表面に吸着したß2-GPIを直接認識した」

・適用した法則 法則1:文>節

例3

これは不十分な従属関係の例です。

"ARed blood cells shrink in solutions with an osmotic pressure greater than that of normal blood. BThey share this characteristic with other cells. CIn solutions with a lower osmotic pressure they swell. DThey become spherical rather than disc-shaped. EEventually, their hemoglobin is lost. FThis process is known as lysis."
→「赤血球は血液より高い浸透圧溶液中では、血液中よりも収縮する。この特性は他の細胞と共通で ある。より低い浸透圧溶液中では、赤血球は膨張する。円盤状と言うより球状になる。最終的に ヘモグロビンは失われる。この過程は溶血として知られている」

この段落中には2つの主題となる概念が含まれています。「細胞が高い浸透圧溶液中でどうなるか」(A)と、 「低い浸透圧溶液中ではどうなるか」(C)です。 B、D、E、Fは、単にこの2つの概念の付加説明に過ぎません。論理的にBはAに従属し、A、D、EはCに従属します。これらの付加的な概念を、主題となる概念に組み合わせてみましょう。

"ARed blood cells, Blike other cells, shrink in solutions with an osmotic pressure greater than that of normal blood. CIn solutions with a lower osmotic pressure they swell, Dbecoming spherical rather than disc-shaped Eand eventually losing their hemoglobin. FThis process is known as lysis."
→「赤血球は他の細胞と同様に、通常の血液中よりも、高い浸透圧を持つ溶液中では縮小する。低い浸透圧溶液中では、赤血球は円盤状というよりも球状に膨張し、最終的にはヘモグロビンを喪失する。 この過程は溶血として知られている。」

・Bに適用した法則 法則1:文>句

・DとEに適用した法則

 法則1:文>節 

 および

 法則5:andは、等位関係を示す(DとEは等位関係なので、並列表現になっている点にも注意してください)。

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