従属概念の表現
従属関係は等位関係よりも数が多く、より複雑です。なぜなら概念同士の従属関係には、ほぼ等しい関係からまったく違う関係まで、幅広い関係が含まれるからです。よって従属概念には、等位概念よりも表現方法がたくさんあり、正しい従属レベルを表す表現を選択するためにはコツが必要です。
2つの関連する概念を見てましょう:
概念1:人体は第2鉄より第1鉄をより効率的に利用する。
概念2:第1鉄は食物中にはあまり存在しない。
上の2つではほとんどの場合、概念2よりも概念1の方が重要です。では、どうすればこの2つの従属関係を正しく表せるのでしょうか? 以下に考えうる3つの方法を挙げ てみます。
A.従属節を使う
Although it is the less frequent form in dietary sources, the body uses ferrous iron more efficiently than ferric iron.
→「第1鉄は食物中に多くは存在しないが、人体は第2鉄よりも 第1鉄をより効率的に利用する」
B.関係詞節を使う
The body uses ferrous iron, which is the less frequent form in dietary sources, more efficiently than ferric iron.
→「人体は、第2鉄よりも食物中に多くは存在しない第1鉄を、より効率的に利用する」
C.形容詞句を使う
The body uses the less frequent ferrous iron form more efficiently than ferric iron.
→「人体は、それほど多くは存在しない第1鉄を、第2鉄よりもより効率的に利用する」
これら3例中の概念2は、Aから順に段階的に重要性が異なります。
A.重要(ただし概念1よりもやや重要でない)>B.ある程度重要>C.重要でない
表で説明すると次のようになります。
第 1段階 概念1と2の重要度を見極める |
第2段階 適用する法則を決める |
第3段階 概念2の文法表現を選ぶ |
第4段階 文章にする
|
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概念1:概念2 60:40 |
2 |
従属節 |
第1鉄は食物中に多くは存在しないが、人体は第2鉄よりも第1鉄をより効率的に利用する。 |
75:25 |
3 |
関係詞節 |
人体は、第2鉄よりも食物中に多くは存在しない第1鉄を、より効率的に利用する。 |
90:10 |
1 |
形容詞句 |
人体は、それほど多くは存在しない第1鉄を、第2鉄よりもより効率的に利用する。 |