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オープンアクセスについて:2

2007年8月18日、執筆者:Nicolas Bottari

オープンアクセス(無料公開)の是非について議論が続いていますが、目下、出版社側の反撃が勢いを増しているところです。Elsevier、 Wiley、 アメリカ化学会など主要出版社が属するアメリカ出版協会(AAP:Association of American Publishers)の一部会員会社は、盛り上がりを見せているオープンアクセス運動に対抗するため、PR(広報)活動の専門家をコンサルタントとして雇い入れました。オープンアクセスが現実化した場合、購読料で支えられている伝統的な雑誌は生き残れないのではないかと懸念しているのです。

英政府は、国立衛生研究所の助成を受けている研究者の論文がアクセプトされた際、論文コピーをPubMed Centralへ提出することを義務づけようとしています。この案を廃止の方向に導くために、AAPのPRコンサルタントは、論文コピーの提出が義務づけられた場合に生ずる懸念や不安材料をアピールするよう提案しました。たとえば「アクセプト後のプロセスがうまく行かず、出版されなかったらどうするのか?」「政府が広めたい情報だけを作為的に一般公開するとしたら、それは検閲になるのではないのか?」といった点を出版社側から問うべきだと。

科学者側の団体がどのような反応を見せるかはまだ明らかではありませんが、商業的出版とオープンアクセス出版との主導権争いの結論は、最終的には世論の動向によって決着するのではないかと思われます。