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ジャーナルと編集 Part 1. ジャーナルの要件を理解していなかったジャーナル編集者

2021年1月23日、執筆者:Guy Harris

弊社で校正を行った論文が、ある有名な出版社のジャーナルにアクセプトされました。国立がん研究センター及び厚生労働省に所属する2名の著者は、弊社について論文の謝辞セクションに下記の記載をしていました。

We appreciate Guy Harris of DMC Corp. (www.dmed.co.jp) for assistance with English language editing of the manuscript

しかし、ジャーナルの編集者から著者宛のアクセプトメッセージの中に、次のような記述があったのです。

Please delete this. Such mentions about English editing cannot be left in the paper.


そのため著者より、「謝辞を削除しても良いか」と弊社に確認の連絡が来ました。

そこで弊社がジャーナルのサイト上にある、著者の要件ページを確認したところ、次のことがわかりました。

Those who contributed to the work but do not qualify for authorship should be listed in the acknowledgements. More detailed guidance on authorship is given by the International Council of Medical Journal Editors (ICMJE).

このリンク先のページ:ICJMEのガイダンスには次のように記載されています。

3. Non-Author Contributors

Contributors who meet fewer than all 4 ... criteria for authorship should not be listed as authors, but they should be acknowledged. Examples [include] ... writing assistance, technical editing, language editing, and proofreading.

上記ジャーナルの要件より、ジャーナルの編集者が間違っていることは明らかであり、校正者の名前を含む謝辞の記載は認められるべきなのです。

この食い違いについて著者にお伝えしましたが、最終的には著者が決定することですので、削除されたとしても弊社が異議を唱えることはありません。

しかし、ジャーナルは自身のポリシーをきちんと理解し、謝辞を残すことを許可するべきではないかと思います。

 

PS. その後、著者は謝辞の記載を許可するようにジャーナルへ再度要求しました。するとジャーナルの編集者から下記の回答が来たのです。

Company is not allowed, but you can mention the English editor, so we deleted “DMC Corp. (www.dmed.co.jp)”.

「ジャーナルと編集 Part 2」では、ジャーナルのアプローチが利益相反になっている件についてお伝えしたいと思います。