簡潔に書く方法
2007年7月05日、執筆者:Nicolas Bottari
優れた科学論文を書くためのいくつかの有用なヒントを、ミシガン大学のロッド・リトル教授が示しています。
そのひとつとして、教授は「科学論文は短いほど良い。論文は、簡潔・明瞭でなければならない」と述べています。重要な事項を漏らすことなく、しかし、できるだけ短くというのが教授の主張です。そうすることで、編集者から高い評価を得ると同時に、直に核心に触れることで、読者の強い興味を引き起こすことができます。
またリトル教授は、意味のない形容詞は省き、繰り返しをできるだけ避けるよう薦めています。そうしてできあがるのが、タイトで簡潔な、すっきりとした論文です。原稿の内容を最終的に見直した後、さらにもう一度見直しをかけ、 10%短縮することを目標に努力しましょう。
簡潔・明瞭化の例を二つ挙げておきます。
編集前: The repeated-measures design has been recognized to permit direct study of change over time within individuals, and thus considered to be a better approach than the cross-sectional study design in estimating effects of covariates.(36単語)
編集後: Unlike cross-sectional designs, repeated-measures designs permit direct study of individual-level changes over time, and effects of covariates on these changes.(23単語)
編集前: “In this section we apply our proposed models to the analysis of the data with compliance as the outcome of interest. The main objective of this analysis is to investigate how treatment preference and assignment preference affect the compliance status.”(40単語)
編集後: “In this section we apply our proposed models to the data with compliance as the outcome. The objective is to investigate how treatment and assignment preferences affect compliance.”(28単語)
DMCのウェブサイトから無料でダウンロードできる資料類を有効に活用し、論文の質をさらに向上させましょう。「優れた文章に必要な2つの条件」を押さえ、読みやすい論文にしましょう。
DMCは、徹底的な校正と著者との共同見直しを通じて、あなたの論文の品質を最高レベルにまで高めるお手伝いをいたします。優れた研究データと当社の英文校正を組み合わせれば、まさに最強の投稿論文が出来上がります。
この記事を知人に送る





カテゴリー
ブログの
アーカイブ
2022年
8月
- お盆休みにつきまして
7月
- ‘The language needs to be improved’(英語を改善する必要がある)という査読コメントへの対応方法
6月
- 比較する
4月
- GWにつきまして
2021年
12月
- 年末年始の営業予定につきまして
8月
- タンパク質構造を予測するAI
- お盆休みにつきまして
1月
- ジャーナルと編集 Part 1. ジャーナルの要件を理解していなかったジャーナル編集者
2020年
12月
- 年末年始の営業予定につきまして
- 語数制限の極めて当然なトレンドの始まり?
11月
- テキストリサイクリングについて - 日本の主要ジャーナルの編集者の見解
10月
- 宇宙で最も重いもの
- タンパク質量に関するデータの統一
8月
- 論文取り下げまでの長い道のり
- お盆休みにつきまして
7月
- 自己盗用判定、類似性指数算出の問題点
2019年
4月
- GWにつきまして
2018年
11月
- 網膜 心臓を覗ける窓
10月
- 光のスピード - さあ体感してみよう
2017年
12月
- 3D Brain
2015年
8月
- ハリウッドは英語学習法を提供してくれる
3月
- "Could"の正しい使い方
- Nature の論文は無料・・・本当に?
2014年
12月
- 自由に読める論文(オープンアクセス)と出版社の搾取
10月
- 森和俊教授ショウ賞受賞
- 森和俊教授ラスカー賞受賞
4月
- PLOS ONEのデータポリシー
3月
- 「recent」の本当の意味
1月
- ノセボ現象–インフォームドコンセントとの板挟み
2013年
12月
- Google search operatorとPubMedで英文をより良いものに
9月
- 見識の記述について
2012年
7月
- 統計学的有意性をレポートするべきか?混乱する現状
2011年
10月
- 血液検査の驚くべきグラフィックビュー
9月
- maximum/minimumとmaximal/minimalの違いとは?
5月
- “number of”を使うべき?それとも“amount of”を使うべき?
3月
- アウトライン機能を活用した論文執筆
1月
- ‘native-rashii’ライティング1 : 文末に要点を置く
2010年
9月
- 重要と言う言葉の重要性
8月
- 先入観をもたせやすい単語は避ける
6月
- 論文発表のためのヒント
5月
- 学術誌における写真の不正加工
3月
- 現行の査読プロセスで、科学分野における新知見の公表方式は正当といえるか?
1月
- パソコンのおかげで、論文を読む手間が省ける?
2009年
12月
- 略記でのピリオドの使い方
10月
- 原稿VS.査読者
8月
- 正しい “etc.” の使い方
7月
- シリアルコンマの使い方
6月
- 形容詞が連続する場合の順序
5月
- ダウンタイムのお詫び
1月
- 新薬開発の最前線
2008年
12月
- 論文のインフレ
9月
- 否定的な内容を表現する文法
8月
- 「Electronic」 と 「Electric」の違い
- another と the other の使い分け
7月
- オープンアクセスについて:1
- almost all、most、most ofの違い
6月
- 第6回 International Congress on Peer Review and Biomedical Publication
4月
- リジェクトのレター
- 永久に有効なリンク
3月
- 「Google査読」の時代は来るか?
2月
- 「査読ブログ」の時代は来るか?
2007年
11月
- 生命の写真
- 誤りがちな「more than」の使い方
9月
- 略語に付ける冠詞
- アドバイス:投稿はポジティブな姿勢で
8月
- オープンアクセスについて:2
7月
- 科学出版で起きた問題
- 論文における過去形の使用法
- 「contain」と「include」の使い分け
- 簡潔に書く方法
6月
- 査読の質の課題
- 「can」と「may」の使い分け
- コロンとセミコロン
5月
- 論文掲載における性差:女性の発言権は男性と対等か?
- アクセス無料化によるバリアの消失
- 強力な論文に仕上げるために