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統計学的有意性をレポートするべきか?混乱する現状

2012年7月20日、執筆者:Guy Harris

現在、論文の中で統計学的有意性を述べるべきか否かについて、研究者は大変混乱させられています。
P値について論文上で言及するべきなのでしょうか、それとも、するべきではないのでしょうか?
いくつかのジャーナルは、P値についての記載を積極的に止めさせようとしていますが、それも常にはっきりと指示している訳ではありません。
先日、私達は、あるクライアント宛に届いたエディターからのレターを読む機会がありました。
そのクライアントは、ジャーナルに論文を投稿した所、査読者のコメントと共に論文が戻って来た為、論文を再投稿しました。すると、エディターから以下の様な追加コメントが送られて来たのです。


“私共はあなたの論文の発表について、前向きに検討しています。
しかし、エディターの最終決定の前に、次の懸案事項が考慮された 修正版を頂きたいのです。

1)まずはじめに、P値に対する私たちの方針が、混乱を招いてしまっていることに対しお詫び申し上げます。

確かに査読者の一人は、さらなるP値を要求しましたが、ジャーナルの方針としては、P値ならびに(特に)統計有意性のディスカッションは記述しない様、強く要求します。
動向調査に関しては記載を認めますが、P値はtable1とtestから消去されるべきです。
統計上の有意性についての言及は消去されるべきです。”

これは非常に興味深い事例です。
ある査読者はP値の追加を要求したのに対し、ジャーナルのpolicyはそれに反対したのです。
残念な事に、査読者のコメントが著者に送られる前に、この矛盾が判明しなかった為、その著者は、不要な追加の仕事をしなければなりませんでした。
統計学的有意性の記載についての混乱気味な現状がよくわかる興味深いケースです。


あなたの研究分野で同じ様な問題は起きていませんか?