Does ‘free’ really mean FREE?

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(Japanese text)

最近のNature news に
「Natureの全ての論文は無料で読む事が出来る様になる」と言う記事が出ました。(http://www.nature.com/news/nature-makes-all-articles-free-to-view-1.16460).
これは一見とても画期的な出来事の様に思われますが、よくよく記事を読んでみると、重要な制限事項が(小さな文字で)書かれています。

“Publisher permits subscribers and media to share read-only versions of its papers.” (「読者とメディアに対し、読み取り専用に限り論文の共有を許可する。」)

わかりやすく言うと、1869年から続く歴史あるNatureの論文をオンライン上で読む事は許可するが、印刷やダウンロードは許可しないという事です。さらに「オンライン上で読む」と言う点についても制限が付きます。それらの論文を読む際は、Nature 独自のスクリーンビューを使わなければならないのです。この独自のスクリーンビューは、書き込みをする事は出来ますが、コピーもダウンロードも印刷も出来ない様になっています。これでは 「全ての論文が無料」とは言えないのではないでしょうか。

他にも「読者」についても制限があります。研究機関に所属する読者は1869年(Nature 設立)まで遡って論文を見る事が出来ますが、その一方で機関に属さない個人の読者は、1997年以降の論文しか見る事が出来ません。技術的には1869年の設立以降の全ての論文にオンラインでアクセス出来るにも関わらず、アクセスを制限しているのです。すなわち大半の読者は、1997年以前に出版された膨大な論文を無料で読む事は出来ないのです。そして、何故1997年を区切りとしているのか明確な説明もありません。

しかしながら、読者(研究機関に所属する、しないに関わらず)が、入手可能なNature 論文に一旦リンクをすれば、誰でもそのリンクを共有する事は可能です。そして、そのリンクから、読み取り専用の論文PDFにたどり着くことが出来ます。様々なメディアやブログ等を通じて論文のPDFを共有する事も出来るでしょう。その様な共有されたリンクを見つけたり、誰かに教えてもらったりすれば、幸いにもNature 論文を無料で読む事が出来ます。さらに、オフラインで論文を読みたい時には、ReadCubeの様なソフトウェアを使ってデスクトップ上に保存すれば良いのです。(iTunes同様に)

また、Nature ならびに関係雑誌は、出版から6ヶ月以上経った後に限り、投稿者が自分の論文を個人的にオンライン上で保存する事を許可しています。さらに、いくつかのNature のグループ雑誌で出版された論文は、 ‘gold open-access’ と言うシステムを使えば出版とほぼ同時に無料で読む事が出来る様になります。‘gold open-access’とは、出版社が読者に課金するのではなく、論文の著者に課金をするシステムです。

いずれにせよ、様々な制約が存在する中で「全ての論文が無料」は、言い過ぎだと思われます。とは言え、この様に収益を損なわない様にしながらも、基礎的研究の発展に寄与しようとするNature Publishing Groupの試みは賞賛に値します。

Natureの この新しい試みに実際に接した方がどう思われたのか、非常に気になる所です!