Hollywood to the Rescue

Categories: Language/Grammar

(Japanese text)

長くお付き合いをいただいている方が、日本にも拠点を置く海外ジェネリック医薬品メーカーに転職しました。その方はネイティブのように英語文を書く力を持っているのですが、海外本社とビデオ会議をする時には大変苦労をするそうです。

ある時、“I do not catch half of their conversation and have difficulty in discussions with them.”(半分も聞き取れないので議論に参加できない)とこぼされました。

そして、“一体どうすればヒアリングとスピーキングの力を伸ばすことができますか”と聞かれました。私は、“DVDかブルーレイデスクあるいは動画配信サービスHulu(フールー)はありますか”とたずねました。

もし、そうしたツールがあるのであれば、映画を観ながらスクリーン上の字幕を書き取ればよいのです。つまり、会話を聞きながらその表現をメモしていく方法が極めて有効です。

暗記していくとよいですね。いいなと思う文章を書き取り、繰返し口にするのです。話し方の調子であるイントネーションもマネましょう。暗記するとオームのように、考えることなく自然と口に出てくるようになります。2-3カ月もすれば、会話に必要な語彙も豊富なものとなっているはずです。

私が誰にでもこの方法を薦めるのは、簡単で効果的、且つお金も使わず楽しいからです。ハリウッドは、これ以上ない英語学習法を提供してくれているのです。


How to Use ‘Could’

Categories: Language/Grammar

(Japanese text)

基本的に科学論文とは過去形で書かれるものであり、著者は可能な限り簡潔でネイティブな表現の文章を過去形で書こうとする。そのため、~was/were able toという表現があれば語数の少ないcouldを選択するのが一般的である。
しかし、驚かれるかもしれないが、実際は、~was/were able toの使用を勧められることのほうが多い。理由は2つある。

1. Couldにはふたつの意味合いがある。“できる”という能力と条件付けあるいは未来における可能性の示唆である。以下の会話にその例をみてみよう。

  Couldの用法
1

A: “What do you want to do today?”
今日は何をしたい?

B: “Hmm, we could go to the store!”
うーんと、お店に買い物に行こうかな。

未来における選択肢を提示
2

A: “What do you want to do today?”
今日は何をしたい?

B: “We could go to the store if we had a car.”
クルマがあると買い物に行けるのだけどな。

条件が満たされれば[前提は、満たされない]そのことが実現できることを示唆
3 A: “Did you go to the store yesterday?”
昨日は買い物に行ったの?
B: “I could have gone if I’d had a car.”
クルマがあったら買い物に行けたのだけど。
上と同じく、過去に、条件が満たされていたならば[前提は、満たされなかった]そのことが実現できたことを示唆


2. “Could”はどちらかというと口語表現(話し言葉)であり、会話では“was/were able to”よりも多く使われる。反対に、“could”を科学論文に使うのは適切ではない。

科学論文において、何かが起こったという事実を強調したい時は“could”よりも“was/were able to”のほうがより自然である。すなわち、科学論文のなかで研究成果を記述する時、日本語で“…することができた”という場合は“could”ではなく“was/were able to”を使用するほうがよい。

A. 何かが“できた”ことを報告する時は“was/were able to”を使用する。

  日本語表現 良くない英語 良い英語
1 計算することができた “We could calculate the dosage accurately using our newly developed method.” “We were able to calculate the dosage accurately using our newly developed method.”
  用量は我々の開発した方法により正確に計算することができた
2 測定することができた “We could determine the concentration in plasma.” “We were able to determine the concentration in plasma.”
  血漿中濃度を測定することができた

B. 未来における可能性を記述する時は“could”を使用する(ifやpotentiallyといった可能性を示唆する語が存在)。

  日本語表現 良くない英語 良い英語
1 …であれば、…することができた “We were able to conduct further studies if our budget were larger.” “We could conduct further studies if our budget were larger.”
  もっと予算があれば、次の研究を行うことができたのだが(内容は過去の記述ではなく、未来における可能性の示唆)。
2 …であれば、…することができた “These findings were able to potentially be of use in clarifying this compound’s side-effects.” “These findings could potentially be of use in clarifying this compound’s side-effects.”
  これらの知見は、被験薬の副作用を明らかにするうえで有用な情報であると考えられる(この内容も過去の記述ではなく、未来における可能性を示唆)。


 


Does ‘free’ really mean FREE?

Categories: Publishing

(Japanese text)

最近のNature news に
「Natureの全ての論文は無料で読む事が出来る様になる」と言う記事が出ました。(http://www.nature.com/news/nature-makes-all-articles-free-to-view-1.16460).
これは一見とても画期的な出来事の様に思われますが、よくよく記事を読んでみると、重要な制限事項が(小さな文字で)書かれています。

“Publisher permits subscribers and media to share read-only versions of its papers.” (「読者とメディアに対し、読み取り専用に限り論文の共有を許可する。」)

わかりやすく言うと、1869年から続く歴史あるNatureの論文をオンライン上で読む事は許可するが、印刷やダウンロードは許可しないという事です。さらに「オンライン上で読む」と言う点についても制限が付きます。それらの論文を読む際は、Nature 独自のスクリーンビューを使わなければならないのです。この独自のスクリーンビューは、書き込みをする事は出来ますが、コピーもダウンロードも印刷も出来ない様になっています。これでは 「全ての論文が無料」とは言えないのではないでしょうか。

他にも「読者」についても制限があります。研究機関に所属する読者は1869年(Nature 設立)まで遡って論文を見る事が出来ますが、その一方で機関に属さない個人の読者は、1997年以降の論文しか見る事が出来ません。技術的には1869年の設立以降の全ての論文にオンラインでアクセス出来るにも関わらず、アクセスを制限しているのです。すなわち大半の読者は、1997年以前に出版された膨大な論文を無料で読む事は出来ないのです。そして、何故1997年を区切りとしているのか明確な説明もありません。

しかしながら、読者(研究機関に所属する、しないに関わらず)が、入手可能なNature 論文に一旦リンクをすれば、誰でもそのリンクを共有する事は可能です。そして、そのリンクから、読み取り専用の論文PDFにたどり着くことが出来ます。様々なメディアやブログ等を通じて論文のPDFを共有する事も出来るでしょう。その様な共有されたリンクを見つけたり、誰かに教えてもらったりすれば、幸いにもNature 論文を無料で読む事が出来ます。さらに、オフラインで論文を読みたい時には、ReadCubeの様なソフトウェアを使ってデスクトップ上に保存すれば良いのです。(iTunes同様に)

また、Nature ならびに関係雑誌は、出版から6ヶ月以上経った後に限り、投稿者が自分の論文を個人的にオンライン上で保存する事を許可しています。さらに、いくつかのNature のグループ雑誌で出版された論文は、 ‘gold open-access’ と言うシステムを使えば出版とほぼ同時に無料で読む事が出来る様になります。‘gold open-access’とは、出版社が読者に課金するのではなく、論文の著者に課金をするシステムです。

いずれにせよ、様々な制約が存在する中で「全ての論文が無料」は、言い過ぎだと思われます。とは言え、この様に収益を損なわない様にしながらも、基礎的研究の発展に寄与しようとするNature Publishing Groupの試みは賞賛に値します。

Natureの この新しい試みに実際に接した方がどう思われたのか、非常に気になる所です!
 


beware of predatory publishers

Categories: Publishing

(Japanese text)

自由に読める論文(オープンアクセス)と出版社の搾取


これまでに、あなたの研究に関する重要な論文(とりわけ出版されたばかりの論文)をダウンロードしようとした際、出版社に高額な料金を支払わなければならなかった事はありませんか?もしその様な経験があったとしたら、それはあなただけに限った事ではありません。一般的に、大学や大企業に所属する研究者であれば、大半の出版社から出される論文を自由に読む事が 出来ますが、その他の世界中の多くの研究者にはその様な自由はありません。また、いくつかの出版社は(自由に読める)契約をしている機関に対してさえ、最新の論文(その年に出版されたもの、あるいは出版されてから12ヶ月以上経っていないもの)は、無償提供をしていません。

一部の出版社や政府は、フリーアクセスを持たない研究者が困る事のないよう、問題解決に向けた取り組みをしています。アメリカ国立生物工学情報センターが提供するPubMedを使った事がある方なら、数は多くはないけれども、無料で利用出来る論文が存在する事に気が付いている事でしょう。しかしながら、あなたが本当に必要な論文を手に入れるには、残念ながら料金を支払わなければならないケースが多いのではないでしょうか。ただし、あなたが必要とする論文がPLOS ONEから出版されているのなら、あなたは幸運です。PLOS ONEを出版するPLOS社は、自社の全ての論文をインターネット上で誰でも自由に読める様にする取り組みを率先して行っているからです。

科学の発展の為に、無償で論文を提供しようとするPLOS社の賞賛すべき取り組みを以下にご紹介しようと思います。また、同時にオープンアクセスにまつわる問題点も皆様に お伝えしたいと思います。

PLOS社におけるオープンアクセスの定義
(http://www.plos.org/open-access/):

“Open Access (OA) stands for unrestricted access and unrestricted reuse. Here’s why that matters. Most publishers own the rights to the articles in their journals. Anyone who wants to read the articles must pay to access them. Anyone who wants to use the articles in any way must obtain permission from the publisher and is often required to pay an additional fee. Although many researchers can access the journals they need via their institution and think that their access is free, in reality it is not. The institution has often been involved in lengthy negotiations around the price of their site license and re-use of this content is limited. Paying for access to content makes sense in the world of print publishing, where providing content to each new reader requires the production of an additional copy, but online it makes much less sense to charge for content when it is possible to provide access to all readers anywhere in the world.”

PLOS社のポリシー
(http://www.plos.org/open-access/):

“PLOS applies the Creative Commons Attribution (CC BY) license to works we publish. This license was developed to facilitate open access – namely, free immediate access to, and unrestricted reuse of, original works of all types. Under this license, authors agree to make articles legally available for reuse, without permission or fees, for virtually any purpose. Anyone may copy, distribute, or reuse these articles, as long as the author and original source are properly cited. Additionally, the journal platform that PLOS uses to publish research articles is Open Source.”

オープンアクセスについてはScholarly Publishing and Academic Resources Institute社のウェブサイト(http://sparc.arl.org)から更に詳しい情報を得る事が出来ます。

しかしながら、残念な事にオープンアクセスと言う仕組みが出来たことにより、これを悪い方向で利用する良くない輩も出て来ました。まさに搾取する出版社と言った所です。この様な不埒な出版社は巧妙な手口を使います。筆者が論文出版の為に予想外の手数料を支払わなければならなかったり、Journalの編集者 が専門外の人間である為に多くの間違いが生じたりする事もあります。加えて査読者も専門外であった場合には、生じた過誤が見逃されてしまい、出版された後になってそのミスが発見されたりする事さえあります。

コロラド大学デンバー校の准教授であり司書でもあるJeffrey Beall氏は、搾取的な出版社の調査をしています。(http://scholarlyoa.com/about)

Beall准教授は、以下のリストに掲載された基準に従って搾取的であるかどうかを判断しました。

http://scholarlyoa.com/2012/11/30/criteria-for-determining-predatory-open-access-publishers-2nd-edition/

例としては、正式な編集委員会が記載されていない、編集者の資格を明らかにしていない、 誤ったインパクトファクターを標榜している等が挙げられます。如何にこれが大きな問題であるかと言う事は、以下のBeall准教授が作成した搾取的な出版社の途方も無く長いリストを見て頂ければわかるでしょう。 http://scholarlyoa.com/publishers/

現状約640の出版社、そのうちの多くは複数の雑誌を出版する会社の全てが、あなたを騙そうとしているのです。Beall准教授のリストに掲載されたリンクをクリックしてみれば、それらのいくつかは明らかに信用出来そうにもない会社だと言う事が良くわかるでしょう。しかし、一見、とても信頼出来そうに見える会社もあります。その為研究者は容易に騙されてしまうのです。

私はランダムにAcademic Research Journals (http://www.academicresearchjournals.org/index.htm) と言う出版社を選び、その内の1つの雑誌 Academic Research Journals of Biotechnology. のウェブサイト(http://www.academicresearchjournals.org/ARJB/Index.htm) を訪れてみました。すると、“Journals” であるべき所が“Journal” になっています − これは良くない兆候です。自社の雑誌名すら正しいスペルでないとは!

続いて、“Current Issues,” (http://www.academicresearchjournals.org/ARJB/Past%20Issues.htm) のウェブサイトを訪れてみました。こちらには、過去と現在の両方の出版リストが掲載されています。が、2014年には、たった2編の論文が6月と7月(2014年の11月の時点で)に出版されているだけです。定期的とは言い難いですね!
しかし、自分が使用しているブラウザに問題があるのかもしれないと思い、この出版社の他の雑誌the International Journal of Academic Library and Information Science. (http://www.academicresearchjournals.org/IJALIS/Past%20Issues.htm) も見てみました。しかし、ここには更に困惑する様な内容が・・・

原稿は電子メールで投稿して下さい。 (http://www.academicresearchjournals.org/ARJB/Submit%20Paper.htm)

そして料金については・・・

“Fees and Charges: Authors are charged a $300 handling fee. Authors may still request (in advance) that the editorial office waive some of the handling fee under special circumstances.” (http://www.academicresearchjournals.org/ARJB/Author's Guide.htm.)

オープンアクセスは読者にとっては自由に研究結果を見る事が出来ると言う利点があり、また筆者にとっても自分の研究成果をより多くの読者と広く共有出来ると言うメリットがあります。ですが、一方で数多くの搾取的な出版社を生み出してしまいました。これらの問題が解決されなければならないのはもちろんですが、読者ならびに筆者は、オープンアクセスをうたう出版社には相応の注意を払った方が良いでしょう。また、そう言った出版社から出された研究成果については、その内容を精査した方が良いと思われます。
当面は、馴染みのない雑誌に投稿する前にはBeall准教授のリストをチェックする事をお勧めします。

私達は今後もこの問題を注意深く見守りたいと思っています。また、皆様にも機会を見て経過をご報告したいと思っています。

そして、雑誌選びでお困りの際は、是非当社にご相談下さい!
[お問い合わせ先: .(JavaScript must be enabled to view this email address) ]


Shaw Prize Congratulations

Categories: DMC News, General Science Items

(Japanese text)

香港のショウ賞は、天文学、生物科学・医学、数学の分野における優れた業績を世に広く知らしめるために2004年に設立されました。年に一度、上記分野で際立った業績を挙げた研究者に授与されます。

ショウ賞は受賞と言う名誉のみならず、財団から各部門の受賞者に賞金総額100万米ドル(約1億円)が授与される大変栄誉ある賞です。

今年の生物科学・医学部門は、小胞体ストレス応答に関して先駆的な研究を行った森和俊教授とPeter Walter教授の共同受賞となりました。

DMC社一同、森教授のショウ賞受賞を心よりお慶び申し上げますと共に森教授の益々のご活躍を祈念致します。
 


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