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PLOS ONEのデータポリシー

2014年4月25日、執筆者:Steve Tronick

第三者が、論文の資料とデータの閲覧をすることにより、その論文の研究結果の正当性を確認できるならば、科学研究は世界規模でより盤石なものとなるでしょう。これに関する最近のトピックの一つがPLOS ONE誌 (http://www.plosone.org/static/information; eISSN-1932-6203) による提案です。PLOS ONEは国際的なジャーナルで査読された科学および医学の全領域のオリジナル研究論文をオープンアクセスでオンライン出版しています。2013年12月にPLOSは次のようなデータポリシー (http://www.plos.org/data-access-for-the-open-access-literature-ploss-data-policy/) をはじめて発表しました。

研究結果へ即座に無制限にアクセスできるようにすることが常にPLOSの重要な指命であり、オープンアクセス運動を広めるためにも必要であった。しかし、研究結果の裏付けとなったデータにも研究結果と同じ様にアクセスできないとしたら、その論文の有用性は限定されたものとなってしまう。そのため、当ジャーナルに発表された論文について著者以外の研究者が試験を再現、再分析、あるいは結論導出の検討を希望した場合、PLOSは常にデータを提供するように著者に要求してきた。

我々は現在、すべてのPLOSジャーナルでのデータ共有方針を次のように改訂中である:著者は論文の出版後、すべてのデータを制限なしに、直ちに公開しなければならない。2014年3月3日以降、PLOSジャーナルに投稿する全ての著者は、どこでどのようにすれば第三者が研究結果の基になったデータにアクセスできるのかを述べた「データ可用性に関する陳述書」の提出が求められる。」

(PLOS’ New Data Policyより)

PLOSへの投稿論文数の今後の動向に興味が持たれるところですが、何らかの影響があるとしても、数字として表れるのには数年を要するものと思われます。一方で、このような方針が出されると、ジャーナルのデータポリシーとインパクトファクターとの関連性を評価する統計学の新しい分野がすぐに出来る可能性があります。そして、この新たなデータ開示システムは、発表された論文の中から疑わしいものを見つけるのに利用される様になるかも知れません。