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見識の記述について

2013年9月13日、執筆者:Steve Tronick

トピックについての見識を記述する場合、適切な説明を補足しないと読者に批判される可能性があります。

例えば、「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化の役割はほとんど知られていない」や「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化の役割は不明である」のような文章がよく引用文献なしで述べられますが、「ほとんど知られていない」は「何かが知られている」の意味であり、このトピックについて論文が発表されているとしたら、それを記載すべきです。

また、ある主題についての論文の数と知識の深さとは必ずしも一致しません。論文の著者は、自身の論文の内容が「不明」や「ほとんど知られていない」の根拠と見なされるとは思ってもいませんし、同様にあなたは、先の著者があなたの論文を「不明」や「ほとんど知られていない」の根拠にする可能性があるとは思いもしません。

見識を表現するには「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化のメカニズムについては知られていない」のような正確な文章が良いでしょう。考慮に入れなければならないのは、あなたがどの程度文献検索を行ったのかという疑問をレヴュアー(reviewer) や読者に持たれるかも知れないという点です。したがって説明は細心の注意を払って行い、文献はできる限り引用すべきです。

同様に、例えば「上皮細胞におけるBRAFリン酸化の研究が同様に行われてきた[3–6]」のようにあるトピックの研究が行われてきたことを結果なしに書くことは、曖昧さを残すのでやめた方がよいでしょう。論文の著者は、インターネット上の情報(ハイパーリンクで参照も可)にすぐアクセスできるようにするなどの方法で、読者に研究結果がよく理解できるように努力すべきです。