「査読ブログ」の時代は来るか?
2008年2月15日、執筆者:Nicolas Bottari
論文査読の世界で新しい試みが始まっています。カリフォルニア大学サンディエゴ校コミュニケーション学の教授が、Noah Wadrup-Fruinというソフトウェア開発会社の協力を得て、論文原稿を一般読者に批評してもらう目的でブログに掲載したのです。ブログ読者のコメント記入を可能にするコンピュータープログラム(CommentPress等)を用い、論文をより良いものにしてくれる意見の収集を図ったのです。この試みが成功すれば、将来、科学を含む広い分野で、論文の査読がブログで行われるようになるかもしれません。
ブログを用いた査読システムは、いくつかの点で既存システムより優れています。例えば、数名の査読者による限定的な評価ではなく、多数の専門家による様々な評価や提案を受けられるため、最終原稿が驚くほど洗練されたものになる可能性があります。新情報の流入により、著者の実力以上の論文になることもあり得るでしょう。しかしながら、ブログ査読者は身元を明かさないこともあるため、著者は提案された意見の内容をよく見極める必要があるでしょう。
ブログ査読の最も優れた点は、著者が即座にフィードバックを受けられることです。著者と査読者との交信速度が上がれば、現在は数ヶ月を要していることが数日で済んでしまうかもしれません。この方式が普及すれば、科学の進歩もスピードアップすることでしょう。新しい情報を早く入手できれば、すぐに次の実験や新しい知見につながるからです。
Wadrup-Fruinによる先駆的な試みは、もしかすると、従来の不具合が多い査読システムの救世主になるかもしれません。
この記事を知人に送る
知人に送信する
ブログの
アーカイブ
2011年
10月
- 血液検査の驚くべきグラフィックビュー
9月
- maximum/minimumとmaximal/minimalの違いとは?
5月
- “number of”を使うべき?それとも“amount of”を使うべき?
3月
- アウトライン機能を活用した論文執筆
1月
- ‘native-rashii’ライティング1 : 文末に要点を置く
2010年
9月
- 重要と言う言葉の重要性
8月
- 先入観をもたせやすい単語は避ける
6月
- 論文発表のためのヒント
5月
- 学術誌における写真の不正加工
3月
- 現行の査読プロセスで、科学分野における新知見の公表方式は正当といえるか?
1月
- パソコンのおかげで、論文を読む手間が省ける?
2009年
12月
- 略記でのピリオドの使い方
10月
- 原稿VS.査読者
8月
- 正しい “etc.” の使い方
7月
- シリアルコンマの使い方
6月
- 形容詞が連続する場合の順序
5月
- ダウンタイムのお詫び
1月
- 新薬開発の最前線
2008年
12月
- 論文のインフレ
9月
- 否定的な内容を表現する文法
8月
- 「Electronic」 と 「Electric」の違い
- another と the other の使い分け
7月
- オープンアクセスについて:1
- almost all、most、most ofの違い
6月
- 第6回 International Congress on Peer Review and Biomedical Publication
4月
- リジェクトのレター
- 永久に有効なリンク
3月
- 「Google査読」の時代は来るか?
2月
- 「査読ブログ」の時代は来るか?
2007年
11月
- 生命の写真
- 誤りがちな「more than」の使い方
9月
- 略語に付ける冠詞
- アドバイス:投稿はポジティブな姿勢で
8月
- オープンアクセスについて:2
7月
- 科学出版で起きた問題
- 論文における過去形の使用法
- 「contain」と「include」の使い分け
- 簡潔に書く方法
6月
- 査読の質の課題
- 「can」と「may」の使い分け
- コロンとセミコロン
5月
- 論文掲載における性差:女性の発言権は男性と対等か?
- アクセス無料化によるバリアの消失
- 強力な論文に仕上げるために




