見識の記述について

カテゴリー: Language/Grammar

トピックについての見識を記述する場合、適切な説明を補足しないと読者に批判される可能性があります。

例えば、「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化の役割はほとんど知られていない」や「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化の役割は不明である」のような文章がよく引用文献なしで述べられますが、「ほとんど知られていない」は「何かが知られている」の意味であり、このトピックについて論文が発表されているとしたら、それを記載すべきです。

また、ある主題についての論文の数と知識の深さとは必ずしも一致しません。論文の著者は、自身の論文の内容が「不明」や「ほとんど知られていない」の根拠と見なされるとは思ってもいませんし、同様にあなたは、先の著者があなたの論文を「不明」や「ほとんど知られていない」の根拠にする可能性があるとは思いもしません。

見識を表現するには「がん幹細胞の自己再生におけるBRAFリン酸化のメカニズムについては知られていない」のような正確な文章が良いでしょう。考慮に入れなければならないのは、あなたがどの程度文献検索を行ったのかという疑問をレヴュアー(reviewer) や読者に持たれるかも知れないという点です。したがって説明は細心の注意を払って行い、文献はできる限り引用すべきです。

同様に、例えば「上皮細胞におけるBRAFリン酸化の研究が同様に行われてきた[3–6]」のようにあるトピックの研究が行われてきたことを結果なしに書くことは、曖昧さを残すのでやめた方がよいでしょう。論文の著者は、インターネット上の情報(ハイパーリンクで参照も可)にすぐアクセスできるようにするなどの方法で、読者に研究結果がよく理解できるように努力すべきです。


統計学的有意性をレポートするべきか?混乱する現状

現在、論文の中で統計学的有意性を述べるべきか否かについて、研究者は大変混乱させられています。
P値について論文上で言及するべきなのでしょうか、それとも、するべきではないのでしょうか?
いくつかのジャーナルは、P値についての記載を積極的に止めさせようとしていますが、それも常にはっきりと指示している訳ではありません。
先日、私達は、あるクライアント宛に届いたエディターからのレターを読む機会がありました。
そのクライアントは、ジャーナルに論文を投稿した所、査読者のコメントと共に論文が戻って来た為、論文を再投稿しました。すると、エディターから以下の様な追加コメントが送られて来たのです。


“私共はあなたの論文の発表について、前向きに検討しています。
しかし、エディターの最終決定の前に、次の懸案事項が考慮された 修正版を頂きたいのです。

1)まずはじめに、P値に対する私たちの方針が、混乱を招いてしまっていることに対しお詫び申し上げます。

確かに査読者の一人は、さらなるP値を要求しましたが、ジャーナルの方針としては、P値ならびに(特に)統計有意性のディスカッションは記述しない様、強く要求します。
動向調査に関しては記載を認めますが、P値はtable1とtestから消去されるべきです。
統計上の有意性についての言及は消去されるべきです。”

これは非常に興味深い事例です。
ある査読者はP値の追加を要求したのに対し、ジャーナルのpolicyはそれに反対したのです。
残念な事に、査読者のコメントが著者に送られる前に、この矛盾が判明しなかった為、その著者は、不要な追加の仕事をしなければなりませんでした。
統計学的有意性の記載についての混乱気味な現状がよくわかる興味深いケースです。


あなたの研究分野で同じ様な問題は起きていませんか?


血液検査の驚くべきグラフィックビュー

どんな臨床医も血液検査の結果を目にすると思いますが、通常、検査結果はそれぞれの項目ごとに正常な範囲や単位等が書かれた長いリストで表示されています。

しかし、これらの項目が他とどのように関連しているのか気になったことはないでしょうか。

それらの関連性を、質量やモル濃度で分類されたわかりやすい一つのグラフ上で見たいと思ったことはありませんか?

たとえば、こんな風に。

どうです?魅力的でしょう?

質量のレベルの範囲は、約0.1ng/dLあたり[成人女性のエストラジオール(卵巣ホルモンの一種)]から150g/L(ヘモグロビン)にまで及んでいます。

尖った先端はこの限界値がゼロか、もしくは検出出来ないくらい少ないということを表しています。また、段々と色が薄くなっているものは、検査機関によって検出結果に若干のばらつきがあるということを表しています。

素晴らしい全体図をこちらからご覧下さい。うまく表示されない場合はこちらのWebsiteにある一番上の図表をダウンロードしてご覧下さい。図表が小さい場合は、図表上でカーソルをクリックすると、拡大してご覧頂けます。

Article written by Guy Harris


maximum/minimumとmaximal/minimalの違いとは?

カテゴリー: Language/Grammar

これらの対になる各2語ずつの単語は、それぞれ同じような意味で使われたり、間違って使われたりすることが頻繁にあるため、区別して使うようにしなければいけません。

下記を確認しましょう。

Maximum出来る限り最大限に、許容量最大に(正確)

Maximal – 数学/工学の分野以外で使われることはほぼない

Minimum 出来る限り最小限に、許容量最小に(正確)

Minimal – 極少量で、ものすごく少ない (不正確)

英語では、”minimal”に対して”maximum”という言葉は、通常は使わないので注意しましょう。

Article written by Courtney C


“number of”を使うべき?それとも“amount of”を使うべき?

Amount: 不可算のもの(液体、気体、微小の固体)

X: “We measured out the proper number of hydrochloric acid.”
O: “We measured out the proper amount of hydrochloric acid.”

Number: 可算のもの(ほとんどの固体、抽象的なもの)

X: “The amount of positive results obtained was determined after 24 h of incubation.”
O: “The number of positive results obtained was determined after 24 h of incubation."

曖昧な数や量(大きさ)を言い表す際は、読む人が何を計算・測定したかがわかるように、適した語(amount or number)を使うよう、気をつけましょう。

X: “Since the metabolites produced in hepatocytes were below the detection limit…”
O: “Since the amount of metabolites produced in hepatocytes was below the detection limit…”

amount of”を用いないと、計算されているのは代謝物の”量”であるのに、“SIZE(大きさ)”と間違われる恐れがあります。(“代謝物の…は検出限界を下回った”)

X: “…to determine the amount of copies of DNA…”
O: “…to determine the number of copies of DNA…”

“Copies (of DNA)”は数えられるので、ここでは”number”を使います。

また、 主語と動詞が一致しているかどうかのチェックを忘れずに、正しい語に合わせましょう。

“The number of positive results was low for Group X compared with Group Y.”

Number”は単数名詞なので、単数の動詞を使います。(“was”)

追記:“No.”を使うべき?それとも“number”を使うべき?

多くの筆者は“No.”は“number”の略語であると思っています。ですが、いつもそうとは限りません。たしかに“No.”は“number”の略語ではありますが、常に同じシチュエーションで使われるというわけではないのです。

• 号: “No.”でOK!

o “The test item was intravenously administered to Animal No. 12345.”
o “We used Room No. 5 of Japan Laboratories in the present study.”

• 数: “No.” ではNG!

× The no. of animals used in the present study was 20.
O The number of animals used in the present study was 20.

Article written by Courtney Cummings


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